小学2年生の最大の関門と言われる「九九」。81個もの組み合わせを覚えるのは、暗記に慣れていない小2の子どもには大きなチャレンジです。「うちの子、6の段から急に止まっちゃった」「7と4を聞き間違えて答えが合わない」など、つまずきの相談は毎年絶えません。
本記事では、九九を効率よく覚える 段別の進め方、つまずきやすい段の特徴と対策、家庭で楽しく続けるコツをまとめてお伝えします。
九九を覚える前提知識
「かけ算の意味」を先に理解する
いきなり九九を暗記しようとすると、ただの呪文の羅列になってしまいます。最初に大事なのは「かけ算とは何か」を理解することです。
かけ算は「まとまりの数 × いくつ分 = 全体の数」という考え方。例えば「3×4」は「3個のグループが4つあるから合計12個」を意味します。おはじきやお菓子を使って、実際に手を動かして子どもに見せると、九九の式が 意味のある数字 に変わります。
九九の言い方の癖を理解しておく
九九には日常会話では使わない独特の言い方があります。これが子どもを悩ませる原因のひとつです。
- 1の段の「いん」(いん いち が いち)
- 3の段の「さざんが」(さざんが きゅう)
- 6の段の「ろく」が「ろっ」になる(ろっぱ しじゅうはち)
- 8の段の8は 4通りの読み がある: 「はち / ぱ / わ / は」
段別の難易度ランキング
ベネッセ教育情報の調査によると、子どもがつまずく段の順番は 7→8→9→6 の順で多い傾向があります。9つの段を難易度別に整理してみましょう。
2の段
最も覚えやすい段。「ににんがし、にさんがろく…」とリズムよく覚えられます。答えが偶数で順番に増えるので、規則性がつかみやすい。
5の段
2の段と並んで覚えやすい段。答えが「5・10・15・20…」と5刻みで明確。時計の分針(5分・10分・15分…)と関連づけると、日常で何度も触れられます。
1の段
「1×1=1, 1×2=2…」と答えがそのまま。ただ「いん いち が いち」という独特の言い方に最初は戸惑うかも。
3の段
「さざんが9」など語呂が良く、リズムで覚えやすい段。3刻みに数字が増えるパターンを意識させると定着します。
4の段
数字としては素直ですが、4(し)が「7(しち)」と聞き間違いやすいので注意。発音をはっきりさせるよう意識して練習しましょう。
6の段
数字が大きくなり始める段。「ろっぱしじゅうはち」など、「ろく」が「ろっ」に変わるところで混乱しがち。前後の式とセットで覚えると◎。
7の段
最もつまずきやすい段。7(しち)が4(し)・1(いち)と聞き分けにくい上、「しちはちごじゅうろく」など発音が複雑。大きな声でハッキリ唱えるのがコツです。
8の段
8の読み方が「はち / ぱ / わ / は」と4種類もあり、子どもが混乱しやすい。表を見ながら何度も発音を確認しましょう。
9の段
数字の大きさで圧倒される段。ただし「9×N の答えの十の位は N-1」「答えの各桁を足すと9になる」など規則性があり、ハマる子はハマる段でもあります。
覚える順番のおすすめ
九九は1の段から順番に覚える必要はありません。むしろ 覚えやすい段からスタート して、自信をつけてから難しい段に進むのが定石です。
- 2の段・5の段から始める — リズムが良く、規則性も明確。子どもが「九九って覚えられる!」と自信を持てる段。
- 次に 1の段・3の段・4の段。3、4はリズムや語呂で覚えられます。
- 慣れてきたら 9の段。意外と規則性があり、覚え始めると面白い段。
- 最難関の 6の段・7の段・8の段。前後とセット、3問ブロックで覚える、歌や語呂を活用。
苦手な段の覚え方 — 3問ブロック法
6・7・8・9の段は数が大きく、答えがイメージしづらい段です。学研教室が紹介する効果的な方法が 「3問ブロック法」。間違えやすい問題を、その前後の問題と 3問セット で一続きに唱える方法です。
例: 「6×7」が覚えにくいとき
「6×7=42」だけを単独で覚えるのではなく、前後とセットで以下のように唱えます。
ろくろく さんじゅうろく(6×6=36)
ろくしち しじゅうに(6×7=42)
ろくは しじゅうはち(6×8=48)
3問を一続きに繰り返すうちに、リズムで定着します。前後の関係(6ずつ増えるパターン)も自然に意識できるようになり、覚えにくい問題のきっかけにもなります。
覚え方の5つのバリエーション
子どもには「耳から覚えるタイプ」「目から覚えるタイプ」など、覚え方の得意・不得意があります。複数の方法を試して、お子さんに合うものを見つけましょう。
① 唱える(王道)
九九表を見ながら声に出して読み上げ、覚えたら表を見ずに暗唱する基本パターン。順唱(上から)→逆唱(下から)→ランダムの順で進めると、徐々に瞬時に答えが出るようになります。
② 歌で覚える
YouTubeなどに「九九の歌」が多数あります。リズムに乗って自然に覚えられる反面、デメリットも。「歌で考える癖」がつくと、瞬時に答えを出すのに時間がかかるようになる場合があります。歌は学習の 初期 に取り入れて、慣れたら唱えに移行するのがおすすめです。
③ カードで覚える
九九カードを使った遊びは、ランダムに九九に触れられて、ゲーム感覚で続けられます。神経衰弱風(問題と答えのペアを揃える)、かるた風(問題を読んで答えを取る)など、家族で楽しめるバリエーションも豊富です。
④ 表を貼って毎日見る
九九表をリビング・トイレ・お風呂など毎日目に入る場所に貼っておくと、無意識のうちに視覚的に記憶されます。長期戦の土台作りとして効果的です。
⑤ 語呂合わせで覚える
記憶が定着しにくい問題には語呂合わせも有効です。例えば:
- 「7×7=49」→ 「シチシチ苦しい(49)」
- 「8×8=64」→ 「ハッパがムシ(64)」
- 「2×2=4」→ 「忍者がシーッ(4)」
親子で面白い語呂合わせを考える時間を持つのも、印象に残りやすくおすすめです。
暗記の進め方 4ステップ
- 表やカードを見ながら音読 — 何度も声に出して、九九の言い方に慣れる。
- 表を見ずに順番に暗唱 — その段を1×1から1×9まで言えるようになる。
- 逆順で暗唱 — 9×9から9×1のように、下からも言えるようにする。
- ランダム出題 — 「7×6は?」のように順番をバラバラに出題して、瞬時に答えられるかチェック。
最終目標は、1×1〜9×9をどこから出されても瞬時に答えられる状態。算数のそろばん教室では「1問1秒以下」を目安にすることもあります。
つまずいた時のサポート 3原則
原則1: 焦らない、一気に覚えようとしない
九九は81個。一気に覚えようとすると挫折しがちです。「今週は2の段だけ完璧にしよう」「来週は5の段」と 段ごとに区切って 進めるほうが結果的に早く全段を覚えられます。
原則2: 苦手な段だけにフォーカス
2の段や5の段が完璧なら、そこを何度もやり直す必要はありません。苦手な6・7・8・9の段に時間を集中投下するのが効率的です。お子さんがどの段でつまずいているのか、保護者がしっかり把握することが第一歩です。
原則3: 親も一緒に楽しむ
「テスト」モードで質問するより、親子で「ゲーム」感覚で取り組むほうが定着率が高いです。「ママと九九クイズしよう!」「お父さんと九九対決!」のような声かけで、楽しみながら覚えていきましょう。
九九を覚えた後にやるべきこと
暗唱できるようになっても、それで終わりではありません。九九の暗記が身についた後は、以下の応用練習で本物の計算力に変えていきます。
- 計算ドリルでアウトプット — 紙のドリルや無料プリントで、書いて答える練習を増やす
- かけ算の文章題 — 「ケーキが3個入った箱が4箱、全部で何個?」のような実生活に即した問題
- 2桁×1桁の計算 — 23×7など、九九を組み合わせて使う計算へ
- わり算の準備 — 九九を逆向きに使う(24÷6=? → 6×4=24だから4)
こどもの木の計算ドリル自動生成ツール なら、九九から2桁の計算、わり算まで段階的に練習できます。
まとめ
九九の暗記は、小学2年生にとって人生初の本格的な暗記体験。覚える 順番 と 方法 を工夫すれば、もっと楽しく身につけられます。
覚えておきたいポイントを整理すると:
- 覚えやすい2・5の段からスタート — まずは自信をつける
- 苦手な6・7・8・9の段は3問ブロック法で前後とセットに
- 聴覚タイプ・視覚タイプ など、子どもに合った覚え方を組み合わせる
- 段ごとに区切って、焦らずに進める
- 親子で楽しむゲーム感覚が定着率アップ
九九は暗記して終わりではなく、その後の算数・数学を支える大切な土台。楽しく覚えて、長く使える計算の武器にしてあげてください。
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